調査日:2026年10月13日
レオパの温度勾配は、ホットとクールの差を出典の範囲内に取り、ヒーターで底面の約1/3(出典の上限は1/2)を温めて作ります。
この記事の要点
- ホットとクールの差は、GEXケアガイド(日中)で2〜9℃、川崎市獣医師会(全ステージ共通の基本設定)で2〜7℃です(いずれも範囲の端同士の差で、編集部算出)。迷ったら両出典が重なる、ホット30〜32℃・クール26〜28℃で組みます。
- ヒーターは底面の約1/3から始め、出典の上限は1/2です。グラステラリウム3030にレプタイルヒートSやピタリ適温プラス2号を当てると約半分(52.2%・48.8%)で、1/2前後の境界付近です(編集部算出・外寸ベースの近似)。
- 床ヒーターは下から左右の勾配、暖突など上部ヒーターは上から上下の勾配を作ります。上部は、部屋が寒いときや設定温度に達しないときに足します。
- 崩れたら、温度計の位置、ヒーター面積、全体加温の順に疑います。ケージ全体を32℃にしても解決しません。
筆者はレオパの飼育経験がありません。 メーカーと獣医師会の公開情報を、執筆とは別の工程で照合した記事です。体験談ではありません。
ホットとクールの差は出典ごとに2〜9℃の幅があり、ケージ全体を32℃にしないのが共通する条件
温度勾配とは、ケージ内にホット側とクール側の温度差を意図的に作り、レオパが自分で移動して体温を調整できるようにすることです。GEXケアガイドは、日中の暖かいエリアを30〜35℃、涼しいエリアを26〜28℃と案内しています。
差は出典の中でしか取れません。GEXケアガイドと川崎市獣医師会の値を、出典をまたいで引き算しないでください。
| 出典(条件) | ホット側 | クール側 | 差の最小(編集部算出) | 差の最大(編集部算出) |
|---|---|---|---|---|
| GEX ケアガイド(日中) | 30〜35℃ | 26〜28℃ | 2℃(30−28) | 9℃(35−26) |
| 川崎市獣医師会(全ステージ共通の基本設定) | 30〜32℃ | 25〜28℃ | 2℃(30−28) | 7℃(32−25) |
2026年10月時点。差は範囲の端同士の引き算で、公表値ではありません。
幅が出るのは、ホットとクールがそれぞれ範囲で示されているためです。出典の差を決める理由は原文に書かれていません。川崎市獣医師会の表は、ホットスポットが表面温度か空気温度かの区別もしていません。
ケージ全体を同じ温度にしないのは、両出典に共通する条件です。GEXは、ケージ全体を32℃に温めるとレオパの体温も上昇し「アクセル全開」になるとして、温度の高い部分と低い部分を作るよう案内しています。川崎市獣医師会は、ホットスポットを餌を消化するための最も重要な場所、クールスポットを体を冷やしたり休憩したりするための場所としています。
迷ったら、両出典が重なるホット30〜32℃・クール26〜28℃で組みます。ホット側の目標値が30〜32℃と30〜35℃に割れる理由と測り方は、レオパ ホットスポット 温度で扱っています。
ヒーターは底面の1/3〜1/2に収め、自分のケージ型式で製品ごとの被覆率を引いて選ぶ
面積は、迷ったら約1/3から始めます。出典の上限は1/2です。出典ごとに書き方が少しずつ違います。
| 出典 | 面積の書き方 | 対象 |
|---|---|---|
| GEX ケアガイド | 床面の約1/3 | レプタイルヒートを設置して加温する範囲 |
| GEX ヒーター解説 | 底面積の1/3以下 | レプタイルヒートの大きさ(同じページの製品紹介欄には1/3〜1/2もあります) |
| GEX 飼育に必要なもの10点 | ケージの1/3〜1/2 | パネルヒーターのサイズ |
| GEX レプタイルヒートS 製品ページ | ケージの底面積の1/3〜1/2 | レプタイルヒート全般の目安 |
| 川崎市獣医師会 | ケージの底面の約1/3〜1/2 | パネルヒーターを敷く範囲 |
レオパ ホットスポット 温度は、ヒーター面積の既定を「迷ったら約1/3」の1点で示しています。この記事はケージ型式別に幅の中を引く表なので、1/2までの幅も示します。
製品を選ぶ記事はレオパ パネルヒーター 置き方です。この記事は、選んだ製品が自分のケージの底面の何%になるかを確かめる側です。
ヒーターとケージの大きさ
| ヒーター | 大きさ | 面積(編集部算出) |
|---|---|---|
| レプタイルヒートXS(6W) | 14.5×17.6cm | 255.2cm² |
| レプタイルヒートS(16W) | 約22.5×23cm | 517.5cm² |
| ピタリ適温プラス2号(8W相当) | 220×220mm | 484cm² |
| ピタリ適温プラス3号(15W相当) | 420×220mm | 924cm² |
| ケージ(外寸の幅×奥行) | 底面積(外寸ベース・編集部算出) | 底面積の1/3〜1/2(編集部算出) |
|---|---|---|
| グラステラリウム3030(約31.5×31.5cm) | 992.25cm² | 330.8〜496.1cm² |
| グラステラリウム4545(約46.5×46.5cm) | 2162.25cm² | 720.8〜1081.1cm² |
| グラステラリウム6045(約61.5×46.5cm) | 2859.75cm² | 953.3〜1429.9cm² |
自分のケージが上の3型式にない場合は、外寸の幅×奥行を測って底面積を出し、3で割った値(1/3)と2で割った値(1/2)の間に、ヒーターの面積が入るかを見ます。1/3や1/2を数ポイント外れる程度は外寸近似の誤差の範囲なので、境界付近として扱い、温度計で確かめます。小さいケージで気温が上がりすぎる場合は、GEXがサーモスタットとの併用をすすめています。
ケージ型式×ヒーターの被覆率
下の表は、グラステラリウムの外寸の幅×奥行を底面に見立て、ヒーターの本体寸法で割った編集部算出の近似です(2026年10月時点の公表寸法)。各社が当該ケージ用と指定した組み合わせではありません。ガラスの厚みや底の縁があるので、実際の接触面は異なります。ピタリ適温プラスは防水仕様ではなく、ケージ内では使用できません。ケージの外(下)に置きます。
| ケージ | レプタイルヒートXS | レプタイルヒートS | ピタリ適温プラス2号 | ピタリ適温プラス3号 |
|---|---|---|---|---|
| 3030 | 25.7%(約1/4) | 52.2%(範囲内・境界付近) | 48.8%(範囲内・境界付近) | 93.1%(勾配が作りにくい) |
| 4545 | 11.8%(目安に届かない) | 23.9%(約1/3より小さい) | 22.4%(約1/3より小さい) | 42.7%(範囲内) |
| 6045 | 8.9%(目安に届かない) | 18.1%(目安に届かない) | 16.9%(目安に届かない) | 32.3%(範囲内・約1/3) |
読み方は3つです。
- 約1/3から1/2の前後は、出典の目安の範囲内です。3030×レプタイルヒートS(52.2%)と3030×ピタリ適温プラス2号(48.8%)は、外寸近似の誤差の範囲内なので同じ扱いにします。1/2の線の両側に振り分けません。上がりすぎるときは、温度計で確かめ、サーモスタットとの併用を検討します。GEXは、小さいケージで気温が上がりすぎる場合にサーモスタットとの併用をすすめています。
- 3030×ピタリ適温プラス3号(93.1%)のように1/2を明らかに超える組み合わせは、涼しい側が残らず、勾配が作りにくくなります。
- 3030×レプタイルヒートXS(25.7%)は、GEXが「グラステラリウム3030の1/4ほどの底面積を保温できます」と案内する値と一致します。迷ったときの約1/3より小さい組み合わせです。4545×XS(11.8%)や6045×XS(8.9%)のように大きく下回るものは、ホット側の面積が出典の目安に届きません。
被覆率は面積の目安で、温かさそのものは必ず温度計で確かめます。ケージの寸法の考え方はレオパ ケージ サイズ、製品の違いはレオパ ヒーター 種類 暖突 パネル 比較で扱っています。
床ヒーターは下から左右の勾配、暖突など上部ヒーターは上から上下の勾配を作るので、足すのは寒いときだけにする
ヒーターを床に置くか上に付けるかで、暖かさの向きが変わります。次の整理は編集部のもので、数値はメーカー公表値です。
| 器具 | 熱の向き | 勾配の向き | メーカー公表値 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| パネルヒーター(床の一部に設置) | 下から | 左右(温める側と温めない側) | レプタイルヒートSの表面温度は約45℃(±5℃)。ピタリ適温プラスは48℃±5℃(4号のみ45℃±5℃) | 表面温度で、空気温度ではない。ピタリは取り付け位置で生体に適した温度調節ができる(メーカー) |
| 暖突(上部に設置) | 上から | 上下(上が暖かく下に降りる) | 熱量の約90%以上を下方へ放射する設計 | 製品の選び方は別記事 |
| ヒーティングトップなどの上部ヒーター | 上から | 上下 | 数値は今回確認していません | GEXは、飼育部屋が寒い場合や設定温度に達しない場合に、暖かくするエリアの上部から追加するとしています |
| 保温球 | − | − | 仕様値を一次情報で確認できていません | この表では向きと数値を書きません |
床ヒーターだけで足りるのは、部屋が寒くなく、設定温度に達している場合です。常に両方を使う前提では書かれていません。上部ヒーターは、GEXの案内にあるとおり、部屋が寒い場合や設定温度に達しない場合に、暖かくするエリアの上から足します。
床と上部を重ねるときは、ホット側の上に重ねます。クール側の上に付けると、涼しい側が残りません。製品ごとの違いと電気代はレオパ ヒーター 種類 暖突 パネル 比較で比べられます。
ベビー・ヤングは夜間もホットを26℃未満にせず、サブアダルト以降は昼夜と季節でクールの下限を見る
川崎市獣医師会は、ステージごとにホット(高温側)とクール(低温側)の値を分けています。
| ステージ(月齢) | 高温側 | 低温側 | 夜間の扱い |
|---|---|---|---|
| ヤング(ベビー。幼体期) | 30〜32℃ | 26〜28℃ | ホットスポットが夜間も含めて26℃を下回らない |
| サブアダルト(生後3〜8か月) | 30℃前後 | 25℃ | 表に夜間の別記載なし |
| アダルト(8か月〜) | 30℃前後 | 25℃前後 | 表に夜間の別記載なし |
川崎市獣医師会のステージ別表。ヤングの夜間の記述はサーモスタット活用が前提で、環境変化に最も弱い旨も同じ箇所にあります。
夜間は、GEXがケージ全体の平均を20〜22℃程度と案内しています。設定温度の目安として、GEXの別ページは日中24〜32℃、夜間18〜24℃を示しています。これらはホットとクールの値ではありません。
季節の読み替えは次のとおりです。冬の目標値、夏のホット・クール目標値は、一次情報で確認できていないため書きません。
- 冬: 川崎市獣医師会は、ケージを置く部屋の室温を25℃前後としています。器具の構成はレオパ 温度管理 冬で扱っています。
- 夏: 川崎市獣医師会は、アダルトの行で夏場の高すぎる温度(35℃以上)を熱中症の原因としています。測定場所の記載はありません。夏に涼しい側の温度が上がったときの見方はレオパ 夏 温度管理で扱っています。
ベビーの飼育全般はレオパ ベビー 飼育、危険な温度の目安はレオパ 死ぬ 温度で扱っています。
勾配が崩れたら、温度計の位置→ヒーター面積→全体加温の順に疑い、全体を32℃にして解決しない
勾配が崩れたと感じたときの判断を、対比で整理します。
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| クールが高いからと、ヒーターを底面全体に広げる | 面積を前章の表で確かめる。ホット側を増やすとクール側が減る |
| ケージ全体を32℃にして解決しようとする | 温度の高い部分と低い部分を残す(GEX) |
| 温度計を1か所に置いて判断する | 暖かい場所と涼しい場所に1つずつ置く(GEX) |
| ヒーター直上のシェルター内の値を、ホット側の値とみなす | シェルター内はヒーター上で30℃以上に蓄熱することがある。温度計で確かめる |
疑う順は次のとおりです。
- 温度計を暖かい場所と涼しい場所の2か所に置いて測る
- サーモスタットのセンサーが、保温器具の熱気が直接当たる位置にないか確認する
- ヒーター上のシェルター内は30℃以上に蓄熱することがあるため、シェルター内の値をホットの値と読まない(GEXは、ケージ周辺温度により30℃に達しない場合もあるとして、温度計で確認するよう案内しています)
- ヒーターの面積が前章の1/3〜1/2に入っているか確認する(数ポイント外れる程度は境界付近として扱い、温度計で確かめる)
- 小さいケージで気温が上がりすぎる場合は、サーモスタットとの併用を(GEX)。GEXタイマーサーモの制御温度は15〜40℃の範囲で設定でき、初期設定の使用例は昼(照明ON)28℃・夜(OFF)26℃ですが、これはレオパ用の推奨値ではありません
温度計の方式と置き場所の詳細はレオパ 温度計で扱っています。ホット側の測り方はレオパ ホットスポット 温度を見てください。シェルターはレオパ ウェットシェルターで扱っています。
この集計の限界
- 被覆率は、グラステラリウムの外寸とヒーターの本体寸法から編集部が算出した近似です。各社が当該ケージ用と指定した組み合わせではなく、実際の接触面はガラスの厚みや底の縁で異なります
- ホットとクールの差は、範囲の端同士の引き算です。測り方(表面か空気か)は両出典の原文に区別がありません
- 温度勾配が機能しているかを行動で判断する基準、シェルターの配置ごとの温度、夏のホット・クールの目標値、保温球の仕様値は、一次情報を収集できていないため書いていません
- 製品寸法・表面温度・ケージ外寸は、2026年10月13日時点の公式ページの記載です。改定されたときは更新します
本記事の作成方法
メーカーと獣医師会の公開ページ10件を、執筆とは別の工程で照合し、ファクトシートで確認できた値だけを使っています。「編集部算出」は、公表値から計算した値です。
よくある質問
Q1. レオパの温度勾配は何℃差にすればよいですか?
出典ごとに幅があります。GEXケアガイド(日中)で2〜9℃、川崎市獣医師会(全ステージ共通の基本設定)で2〜7℃です(いずれも範囲の端同士の差で、編集部算出)。迷ったら、両出典が重なるホット30〜32℃・クール26〜28℃で組みます。
Q2. パネルヒーターは底面の何割を温めればよいですか?
迷ったら約1/3から始めます。出典の上限は1/2です。GEXは約1/3・1/3以下・1/3〜1/2、川崎市獣医師会は約1/3〜1/2と、書き方が割れています。
Q3. 30cmのケージにパネルヒーターを敷くと大きすぎませんか?
グラステラリウム3030(外寸約31.5×31.5cm)では、レプタイルヒートSが52.2%、ピタリ適温プラス2号が48.8%で、1/2前後の境界付近です。ピタリ適温プラス3号は93.1%で、勾配が作りにくくなります。いずれも編集部算出の外寸ベースの近似です。上がりすぎるときは、温度計で確かめてサーモスタットを併用します。
Q4. 暖突があればパネルヒーターは要りませんか?
向きが違います。暖突は上から下へ熱を届ける設計、パネルヒーターは床から温めます。GEXは、上部ヒーターを、飼育部屋が寒い場合や設定温度に達しない場合に追加するとしています。常に両方が必要とは、確認した出典では書かれていません。
Q5. ケージ全体が暖かくてクールの場所がありません。どうしますか?
まず、温度計を暖かい場所と涼しい場所の2か所に置いて測ります。ヒーターが底面の1/2を明らかに超えていないかを確かめ、ケージ全体を32℃にしないようにします。順番は、前章の手順に従ってください。
